「男性学」「マスキュリズム」に対する考察 Ⅱ

前回、「男性学」「マスキュリズム」に対する考察 Ⅰで書いたように、フェミニストの活躍により、女性の権利・利益は大幅に上昇し、男性の義務・コストは重くなった。

(男女の権利・義務負担関係)
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は男性だけが不相応に重い負担を課せられている状況に対して「男性差別」であると感じている。


これを踏まえ、「男性学」「マスキュリズム」に関する考え方を述べたい。

(なお、私は学問的には素人であり、フェミニズムや男性学の理論だとか派閥だとか、学者、論客の名前等は熟知しておらず、下記に述べるのもあくまで私の解釈であるので誤っている可能性があることに留意していただきたい)


男性学について
「男性学」という名称の学問は、日本においてはフェミニズムの分派であり「フェミ的な視点から男性を観察する」ものを指すことが多いように思われる。
「男性学」の人々はフェミニズムの配下であり、フェミニストの主張を男性側から補完するために、様々なメディアで発信しているため、「男性学」という名称について述べるにあたり、彼らが紹介されてしまうことが多いということであろう。
同様に「メンズリブ」という言葉もこの「男性学」の一派がよく使う言葉である。

彼らの主張内容については、フェミニズムの分派という点を見ればお察しの通りである。

「男性は既得権益を持っている。女性は差別されている」「男性=加害者、女性=被害者」というフェミニストと寸分変わらぬ前提からスタートし、若干の男性に対する同情や励ましをしつつ、最後は「男性が女性に加害しないようにはどうすればいいか」「どうしたら男性は変われるのか」等の「男性に自省を求める」という結論に必ず到達するようになっている。

田中俊之氏などがこれに該当する。


田中俊之さんインタビュー 「男性学」が読み解く「働く男のしんどさ」とは? 
働き方の変革は、企業にとっての「リスクヘッジ」
「男性学」という学問をご存じでしょうか。ウーマン・リブならぬメンズ・リブの運動を受けて発生した、“男性が男性だからこそ抱える問題”を研究する最先端のジェンダー論です。「働き過ぎはその典型。日本では“男”であることと“働く”ということとの結びつきがあまりにも強すぎます」と警鐘を鳴らすのが、この分野の第一人者である武蔵大学の田中俊之助教。折しも企業社会では「女性活躍推進」が喧伝されていますが、女性が変わるためには、男性の生き方や働き方も変えなければなりません。しかしそれがなかなか難しい。なぜ男性は変われないのか。変わるには何が必要か。https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/1061/2/



上記のように、女性のために男性が変われというものである。


余談だが「男性学(男性を研究する学問)」という言葉さえも、フェミニストに奪われている現状は非常にやるせないものがある。

Wikipediaの「男性学」では、真っ先に


男性学(だんせいがく、(en:Men's studies))とは、上野千鶴子の定義によれば「女性学を経由した男性の自己省察の学問」を意味する。フェミニズム、女性学に刺激されて1990年代に本格的に登場した新しい学際的な学問領域である。


と書いてあるのが、「男性学」という言葉がフェミニストに牛耳られていることを象徴している。

男性差別を受けて、男性のつらさを分かち合える人々はいないかと調べてたどり着いた先が、この(フェミニズムとしての)「男性学」だったとしたら、日本には男性の居場所はないのかと絶望してしまう人もいるかもしれない。

また、「男性差別」という言葉を使うと、男性学の人々と同じ(フェミニズムの)思想だと勘違いされてしまうことがあるという悲しい状況でもある。

マスキュリズムについて
一方、「マスキュリズム」はフェミニズムと対をなす思想であり、フェミニズムの分派である「男性学」とは明確に異なるものである。
マスキュリズムは、男性が差別されている事実を明らかにし、男性差別の撤廃を目指す運動である。

これは、「男性差別は存在しない」の記事で紹介したワレン・ファレル氏や久米泰介氏が該当する。



徴兵制度が男性にのみ強制されること、離婚裁判の結果において親権が父親に与えられないケースが多いこと、危険な職種(兵士、炭鉱、原発、土木作業員、建設現場など)に男性が多いこと、野宿生活者の大多数が男性であること、自殺者の多くが男性であること、平均寿命の男女差、男児への割礼の強制、などについて、男性差別であると指摘し、現在のアメリカ社会のあり方を強く批判している。https://matome.naver.jp/odai/2142532897922336601



ワレン・ファレルは、女性の昇進を阻む「ガラスの天井」に対して男性が収入と引き換えの危険な職種や長時間勤務、自殺、病気や事故による高い死亡率、徴兵、死刑といった過酷な状況に押し込められ、「使い捨てられている」現実を「ガラスの地下室」と表現している。


「男性権力の神話――《男性差別》の可視化と撤廃のための学問」(ワレン・ファレル著、久米泰介 訳)は男性差別を明らかにする名著であり是非多くの方に読んで頂きたい1冊である。


「フェミニズム」「男性学」「マスキュリズム」の関係を図示するのであれば下記のようになる。
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フェミニズムマスキュリズムは対になる存在として、女性差別、男性差別の解消を目指す運動をしている。また男性学はフェミニズムの一派である。




さてこれらの前提を踏まえた上で、私のスタンスを述べるとすると以下のようになる。

まず、私は男女論に対する私の基礎となる立ち位置は「権利(利益)に応じた義務(コスト)を負うべき」である。

すなわち「男女は異なる権利義務を持つ」(男女は異なる性質を持っているから、異なる扱いは当然)という考えに近いものである。

以前は、「男女は異なる権利義務を持つ」という考えでも、「男女は同じ権利義務を持つ」(男女は同質で平等でなければならない)という考えでも、「権利(利益)に見合った義務(コスト)を負う」のであればどちらでもよい、と考えていた。

しかし、今は「男女で同じ権利義務」(男女は同質で平等)という考えはあり得ないという考えになった。
理由は2つある。

1つ目は前回の記事で書いた通り、フェミニスト(ならびに多くの女性)は、権利の拡張を唱えても、義務の負担の増大は固く拒否するという性質があるためだ。

これにより、「権利に見合った義務」というバランスが取れず、男性の負担が不当に重くなるという結果になる。
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2つ目は、そもそも、男女の脳と体は生物学的に違う、という現実を無視しているためだ。

女性は「強い男」「自分を守ってくれる男」「頼りがいのある男」「価値の高い男(地位、年収が高い、又は集団のリーダー格)」等、総合的に「自分より上の男」をパートナーとして選ぶ傾向がある。

これは社会的に形成された価値観ではなく本能であり、どれだけジェンダー論という嘘の理論(「宗教」とも言い換えられる)に基づき、男女同質を説こうとも変わることはない。

逆に「弱い男」「自分を守ってくれない男」「頼りがいのない男」「低収入の男」「集団内での地位が低い男」を積極的に結婚相手とし探したいという女性はいないだろう。

性的魅力という面で、原則として「女」の方が性的価値が高く、男の方が低い。
だからいつもアプローチするのは男であり、支払いをするのも男なのである。

女の性的価値の方が高く、要求をする側、選ぶ側であるため、合コン、デート、キャバクラ、風俗、ポルノ等、ビジネス・プライベート問わず、「女」という価値に対して、男が金を払うという構造になっているのだ。

男の裸に金を払う女が(ほとんど)いないことを考えてみれば、性的価値は 女>男 であることは明らかである。

(女性の「性」は価値のある大切なものであり、それを暴力等の不当な手段で奪おうとする性犯罪を殺人に等しいような重罪として裁かれる一方で、男性の「性」には価値がないので傷つけられても罰を受けることはないのだ)


もちろん金だけでなく、リードしたり、気を使って荷物を持ったり、楽しませたり、相手に気に入られようとするすべての行為負担が含まれる。結果、若い女性は男性に比べて「ちやほや」されることになる。

若い男女で比較すれば、女性がアプローチを受ける頻度が圧倒的に多いことからも明白である。

合コンやデートで女性が「今日は楽しかったです。支払いは私がしますね」ということが通常起こりえないのはそういうことだ。

数年前から「街コン」が流行っているが、「男性 7,000円女性2,000円」という料金設定はまさにこれを利用したビジネスモデルである。

まず、著しく低い料金で女性客を囲い、その女性客(「女」という価値の高いもの)をエサに男性(カモ、運営者の収益源)を呼び寄せるという構造である。


(Think outside the box様の記事より「『男性受難』の理由」より引用)
http://totb.hatenablog.com/entry/2015/06/04/061625#fn-7c3f9f3d


『生殖面における価値が女>男であるため、男には女よりも稼ぐことが期待されます(そうでなければ合計した価値が釣り合わない)。生殖面では強い立場にある女が男に「自分より稼ぐこと」を求めることや、男が女の要求に応えるために肉体的に頑健なのは進化の産物です

(中略)

ところが、男が女よりも稼ぐことを「差別」とする思想に基づき、男女の稼ぎの差を縮小させると、必然的に、生殖面(生まれつき)の価値の差をカバーできなくなる男(引用者注:性的魅力もなく、かつ、経済的魅力もない「キモくて金もないおっさん」)が出現します。

(中略)

その結果は、
1. 一夫一妻:子孫を残せない「負け組」男女の増大(女に選ばれない男&剰女の増加)⇒人口減少⇒社会衰退
2. 一夫多妻:経済面に加えて性の面でも格差拡大
です。』



女性は「自分より稼ぐ男」を価値のある男性として見る一方、自分より低収入の男性を本能的に結婚相手として見れない。

その女性の本能を無視して、男女共同参画により男性の年収600万円を男女で300万円づつ分け合う社会を推進したことにより、女性にとって「自分より稼ぐ男」が大幅に減少してしまった。

これが、社会に少子化を巻き起こした原因である。

男女平等な社会になれば、男女平等に女性から男性にアプローチするようになる、などということはあり得ないのだ。


どんなに男女の所得が同等になろうとも、生物として女性の性的価値が男性よりも圧倒的に高いという以上、男性が女性に金を払うという構造は変わることはないし、低所得の男性に魅力を感じるようにもならない。

人間の本能を無視して、理念だけで社会を作ろうとするとどうなるか。
それは共産主義が先例を見せてくれている。


(Think outside the box様の記事より「東洋経済「人口急減の恐怖」を勝手に補足」より引用)
http://totb.hatenablog.com/entry/2016/12/09/065111


リベラル社会の失敗は共産主義と同じく、人間の本性(進化の産物)を否定したことにあります。

•共産主義:私利私欲を否定→経済成長に行き詰って自滅

•リベラリズム:男女のhard-wiredされた違い(男は遺伝的には他人の女(妻)を養うが、女は養わない。男は「与える」、女は「受け取る」がデフォルトであり、これが女の上方婚志向につながる。)を否定→人口再生産に失敗して自滅



よって上記の理由(特に「男女は生物として違う」こと)により、「男女で同じ権利義務」(男女は同質でありすべてを結果として平等にすべき)という考えには賛同できない。

(次回へ続く。12/20更新予定)

(なお、「女性が上の男にしか魅力を感じない」や、「性的魅力において女>男」ということについては、あくまで一般的にそうであるということである。社会全体の事実として、女性が高収入になればなるほど自分より上の男を見つけることが難しいため未婚率が非常に高くなっていくことや、女が男に奢る場合よりも男が女に奢る場合のほうが圧倒的に多いことを言っている)



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