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男の主張 ~とある少年達の迫害~

僕は自由と平等の国で生まれ育った。
人種・性別による不当な差別は決して許されないものだと思ってた。
でも日本はそうじゃないみたいだ。

今から20年以上前、日本人の両親は仕事のためにアメリカに渡り、そこで生活の根を張った。
僕はアメリカで生まれた日系アメリカ人の2世だ。
学校では英語を話すが、家の中では日本語を話すというバイリンガルな環境で育った。
この夏、両親の日本支社への転勤が決まり、日本に移住することになったのだ。
飛行機を乗り継いで日本に向かう。
期待で胸がいっぱいだった。

日本時間で朝7時20分、僕らは空港に到着した。
「お兄ちゃん、ぼくたちこれからどうすればいいの?」
ポケモンのキャラクターが描かれたリュックを背負った弟が言う。
「これから電車を乗り継いで、僕たちの家に行くんだ」
両親は先に日本に来て様々な手続きを済ませ、既に新しい家に住んで数週間経っている。
両親は職場が変わったばかりで多忙なようで、自分達を迎えに来れないとのこと。
乗る電車の名前と降りる駅をメールで教えてもらい、二人だけで家に来るように言われている。
荷物のほとんどは既に日本の自宅に送ってある。荷物は中くらいのキャリーバッグだけだ。
「よし、じゃあ行くか」
バッグのキャスターをコロコロと転がしながら歩き出す。


一つ目の電車は正に地獄だった。
車内は通勤のサラリーマンたちで埋め尽くされており、圧迫されて体中が痛く、そのせいで呼吸も苦しかった。人間が隙間無く詰め込まれ、まったく身動きができず体勢を変えることすらできない。壁の中に埋め込まれるのって、こんな気分なんだろうかとふと思った。
駅に停車するたび「すいません、すいません」と電車の内から人が人を掻き分けて降車していき、さらにその駅から乗車する人が発車ベルと同時に一斉になだれ込んできて体があちこちに追いやられる。
まるで嵐だ。自分も降りる人の波に押されて何度も電車の外に押し出されてしまい、再び乗り込むのに苦労した。
すでに僅か1~2メートルの距離にいるであろう弟の姿は全く見えなくなった。
どこかの駅で降りた後、再び電車に乗り込めなかったのではないかと少し不安になったが
電車が大きく揺れて、人の壁が崩れそうになった瞬間、弟の「うああぁ!」という叫びが聞こえて安心した。がんばれ、弟。

これが「通勤ラッシュ」というものか。
目的の駅に着き、自分も「すいません、すいません」といいながら電車を降りる。
異常な圧迫感から開放された瞬間、その解放感から全身の力が抜けて足元がふらついてしまう。胸が圧迫から開放されたため一気に呼吸が楽になり、思わずため息が出る。

「すごかったね…。僕、足が浮いてたよ…」
体の小さい弟は、全方位から圧迫されることで体が周囲の人に支えられ、浮いてしまっていたのだ。

「次の電車に乗り換えようか」
ホームの階段を下りて、コンコースに入る。
「ええと、○○線は……あった!」
乗り換え路線のホームへの階段へ歩き出す。
大きな電光掲示板が天井から下がっているのが目に入ってくる。
小さな字でいろいろ表示されていてよくわからない。
しかし数字だけははっきりと見えた。
『8:07』と表示されている。

「発車まであと1分しかない!」
キャスターバッグを抱えて階段を駆け上がる。
ホームでは既に発車ベルが鳴り始めている。
階段のすぐ目の前、ちょうどいい場所にドアがあるのが見える。

「あの電車に乗るぞ!」
「うん!」
二人が飛び込むと同時にドアは力強く閉まった。
「危なかったね」
笑いながら荒くなった息を整える。

そのとき、さっきの電車とは何かが違う、ということを感じた。
何だろう。
さっきの電車より空いてる。混雑してはいるが、体が圧迫されるほどではない。
でもそれが原因ではない気がした。

何だか強い臭いがする。
消臭剤だろうか。
あるいは、日本の電車では車内に香水を撒く習慣があるのだろうか。
それにしても臭いがキツすぎる。

いや、それだけだはない。
視線を感じる。

周りを見渡すと、人々が僕達をジロジロ見つめていることに気付いた。
いや、睨んでいるといってもいいかもしれない。
何でだろう、女の人ばかりだ。
肌で感じるほどの視線を周囲の女性から一斉に投げつけられる。
弟は何も気付いていなさそうだ。

すごく居心地が悪かった。
状況もよく把握できない。
しかし、たった数十分のことだ、我慢しよう。

電車が次の駅に到着する。
するとそこから乗ってくる乗客も全て女性だったのだ。
そして例外なく僕等を見ると驚きの表情を見せる。
中には小さく「えっ?」と声を上げる人もいた。

ドアが閉まる。
電車が動き出す。
するとドアに寄りかかっている少しふくよかな女性が、ひときわ険しい表情で睨みつけてくるのがわかった。

僕は思わず「どうしたんですか?」と言っていた。

女性は更に顔を歪めて言った。
「なんで乗ってんの?」

言われていることの意味が分からなかった。
「はっ?」
すると女性は、僕を睨みつけたままドアのガラスに貼り付けてあるピンク色のステッカーを、人差し指でトン、トンと叩いた。

ステッカーには、ごちゃごちゃと何かが書いてある。
弟が覗き込む。
「何て書いてあるの?ぼく、漢字読めない…」

女性…専…用…。
WOMEN……ONLY!?

「ここ、男は入っちゃいけないんだけど?」

言われている言葉自体は把握できたつもりだった。
それでも、言われている言葉の意味が分からなかった

電車に…女性専用?そんなことが…。
ありえない。
人種、性別での差別はあってはならない。僕はアメリカの学校でそう習った。
白人専用のバス、白人席などは差別であるとして何十年も前に無くなっていた。
そういうことをすると法的に、社会的に、制裁を受けることを知っている。
だから、「女性専用」というものが存在することが理解できなかった。
「なんですか?これは」
単純に、脳裏に浮かんだ言葉を口に出した。

「とぼけてんじゃないわよ。いいから早く出ていきなさい!」
女性が強い口調で僕達を責める。
周りの女性たちも、助けてくれる雰囲気ではない。
それどころか、この女性の言葉に頷いている人もいた。

「……」

何が何だかわからない。
混乱と、周囲の女性の睨むような目線に晒されて頭がぼーっとしてきた。
「お兄ちゃん、どうしたの…?ぼくたち出て行かなきゃいけないの?」
「しょうがないでしょ。男が悪いのよ」

「男が…?ぼくたちが、悪いこと、しちゃったの?」
「そうよ。男が痴漢するから女性専用車両ができたのよ」

弟は、日本語の「痴漢」と「女性専用」「車両」という言葉がよくわからなかったらしく、
怪訝な表情で女性を見上げていた。

「ところであんた、何歳?」
「じゅうに…12歳です…」
「小学生?」

弟は少し考えて答えた。アメリカと日本の制度の違いで少し戸惑ったのだろう。
「えと、えっと、中学生です」
女性は一層、不快そうな顔をして言った。
「じゃああんたも次の駅で降りなさい。中学生以上は乗っちゃいけないのよ」

「なっ…、こんな小さい子に何を言って…」
「うるさい!早く出てけー!あんた達がいるとみんな迷惑なのよ!」
弟は小さく「ひっ…」と叫んで俯いた。

僕達は電車を降りた。
電車のドアが閉まるとき、僕らを追い出した女性が「スケベ野郎」と言い放ち、その隣の女性がニヤニヤと笑っていたのが今でも忘れられない。


あれからインターネットで女性専用車両について二人で調べてみた。
そこには
「男が悪いんだから仕方がない。男の責任」
「男の人がいないと本当に安心」
「男の人は臭いから、女性専用車両があると快適」
などという言葉が並んでいた。

それを見るたび弟は
「ぼく、くさいんだ…。きたないんだ…」
「ぼくはそこにいるだけで迷惑なんだ…」
「ぼく、生きていることが悪いことなの…?だって女のひとが『男が悪い』って。ぼくは男だから…、ぼくが悪いって…」
と悲しそうにつぶやいていた。

信じられないのが、子供のいる主婦と名乗る女性がそのような書き込みをしたり、ブログの記事を作ったりしていることだ。
日本の母親たちは自分の息子に「お前は臭い、汚い」、「お前は痴漢だ」と教育しているのだ。
あるいは娘に、男はそういうものだという価値観を植え付けているのだ。
このようなことが平然と行われており、男性も何故かそれを受け入れている。

女性は「女性が安心して乗車できるように」女性専用車両がある。
男性が痴漢冤罪に遭ったら、それまで築いてきたもの全てが崩壊する。
しかしその対策は何もなされていない。

女性専用車両は男性にとって痴漢冤罪対策になるという主張もある。
それならば、なぜ僕は毎日女性専用車両がある電車で、女性に囲まれたりしながら通学しなければならないのだろうか。
僕が女性専用車両から追い出されたように、一般車両に乗ってきた女性を追い出してもいいのだろうか。


そして、女性専用車両だけではなかった。
女性専用バス、レディースデー・女子会プラン、レストランの女性専用料理コース、漫画喫茶の女性専用シート、ゲームセンターの女性専用コーナー、映画館の女性専用席、女性限定英会話教室、女性専用タクシー、女性専用旅行プラン・割引、JRの女性限定国内ツアー、女性専用保険、女性専用駐車場、女性専用フィットネスクラブ、ホテルの女性専用フロア、大学受験の女性枠、公務員試験の女性枠、その他女性のみのサービス。

探せばいくらでも出てきた。
しかし、男性専用や男性優遇サービスは探すこと自体が困難だった。

父に聞いてみた。
女性専用車両は差別ではないかと。
「女の人は差別されているからなあ。仕方ないんじゃないか?」
と言ったことが忘れられない。
自分達が味わった強烈な差別と同じことを、女性は普段から体験しているのだろうか。
今居る場所から、よってたかって追い出されるほどの差別を?

僕達は日本人のメンタリティを持っていないからか、日本に来てから両親の言うことと
自分の考えとで隔たりがあるのを感じるようになった。

弟はこの出来事のせいで深く傷ついて、もう電車に乗りたくないと言っている。
自分達はまだ日本のことに詳しくない。
いつ、またあんな目に遭うか分からない。
だから電車で5駅かかる中学校に、わざわざ自転車で通っている。

僕達は黒人差別についてしっかり学んだ。黄色人種への差別もだ。
白人専用が許されないのと同じように、女性専用は許されないと思っている。
日本の社会は何かがおかしい。
しかし、多くの日本人はそれに気付いていないようだ。

電車の車内で席に座って足を組んで化粧をしている女性の前で、
立っている中年の男性が痴漢に間違えられないように必死に両手を挙げて
「いやらしい目で見てる」等の因縁をつけられないように目をそらしている状況を見たとき、これこそが日本の縮図だと感じた。


どうして何もしていない自分が理由なき差別を受けなければいけないのか。
どうすれば差別しないでくれるのだろうか。

誰か、教えてください。






(この記事は「女の主張~とある少女の被害~」http://senyousociety.blog79.fc2.com/blog-entry-2.htmlと併せてお読みください)


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